最近、近くの物が見えにくい・ぼやける・疲れるなどと言った症状に悩まされていませんか?
ここではそういった症状・老眼に悩まされている人に向けて、老眼の原因やなおす方法はあるのかなどについてわかりやすく解説していきます。
40代以降だけでなく、最近では20代や30代のパソコンやスマホをよく使う世代にも近くがぼやける訴えは多く、辛い思いをしている人は多くいます。原因やどうしたら良いかを知るだけで見え方が改善され、ストレスが減りますのでぜひ最後まで読み進めてみてください。
ここでわかること
・近くがぼやける原因
・老眼とはなにか
・どう対処したら良いか、なおす方法はあるのか
【自己紹介】
眼科勤続年数・約15年の現役視能訓練士(国家資格保有の眼科検査員)です。
関東の端っこの小さい病院で細々と勤務しています。
これまで様々な眼の悩みを持つ人に遭遇してきました。
少しでも理由がわかれば安心できることもあるかと記事を書いています。
近くがぼやける原因は老眼の始まりの可能性
可能性の一つに「老眼」が挙げられます。
老眼は40歳前後から少しづつ始まり、自覚するには個人差がありますが最初はなんとなく目が疲れやすいし近くが見えにくいな、でも見えないわけでもないし・・といった状態から始まります。いきなり見えなくなるわけではないものの、なんとなく生活に支障が出てくるので早めに対策をとりましょう。
「近くが見えにくい・ぼやける」といった症状の大多数は老眼の始まりの可能性が高いですが、中には別の疾患も隠れている可能性も否定はできないので、一度病院にかかることをおすすめします。
老眼とはわかりやすくいうと?
老眼とは、ピント合わせの機能の低下により近くの物が見えにくくなる状態を言います。
40歳前後で少しづつピント合わせの力が衰え始め、60歳頃にはピント合わせの力はなくなると言われています。近くが見えても長時間ピント合わせし続けると疲れる場合も老眼の始まりです。
学生の頃は細かい毛穴までよく見えてたのになぁ・・・
セルフチェック
老眼が始まっているかチェックしてみましょう。ポイントは遠くがよく見えるようにコンタクトや眼鏡をかけた状態で確認してみてください。
いくつ当てはまりましたか?2~3つ当てはまる場合は老眼の始まりのサインかもしれません。
近視の人の老眼症状
「近視の人は老眼にならない」なんて聞いたことはありませんか?実はそうではありません。
近視の人は、遠くが見えにくくて近くが見える状態のため、もともとピント合わせをしなくても近くは見えているので老眼の始まりに気づきにくいでしょう。老眼が始まっている方でも近視の人で眼鏡やコンタクトで遠くをしっかり見えるような度数を使用している方は、その状態で見ると近くがぼやけるはずです。
遠視の人の老眼症状
遠視の人は遠くも近くも常にピント合わせをして物を見ている状態です。そのため、老眼はピント合わせができなくなる状態なので、割と早い段階で見えにくさを自覚するでしょう。
スマホ老眼
現在では「スマホ老眼」という言葉が出てきました。
これは長時間のスマホやパソコンの使用により一時的に疲れにより近くにピントが合いにくくなる状態のことを言い、老眼が始まると言われる40歳前後前の20代や30代の方にも起こります。老眼というよりどちらかというと「眼精疲労」に近いかもしれません。これは休憩したり遠くを見て眼を休ませることで症状は落ち着きます。
対処方法・なおす方法はあるのか?
実はなおす方法はありません。ピント合わせができなくなっていくという老化現象で、どうやっても食い止めることはできず様々な対処方法で工夫して老眼に付き合っていくしかありません。
手術という方法もありますが、なおすというよりも矯正するためのものなので視力回復とは少し違います。ちょっと残念に思うかもしれませんが、様々な対処方法がありますので説明していきます。
まだ我慢できるからといって後回しにせず、早めの対処をすると見え方が変わり快適になりますのでぜひ試してみてください。
老眼鏡
老眼鏡というと分厚い眼鏡をかけたおじいちゃんやおばあちゃんを思うかもしれませんが、実際は普通の眼鏡で、自分の眼の度数によっては分厚い眼鏡になる可能性もありますがこれは個人差があります。
近くを見る際のピント合わせを軽減するために、近くが見えるような度数を処方してもらいます。その度数で遠くを見るとぼやけるので、近くの物を見る時にのみ使用が可能です。
眼鏡は普通の眼鏡屋さんで作ることができ、老眼用だからと別途料金がかかることもありません。
遠近両用眼鏡
老眼鏡と同じようなものですが、違いとしては1枚の眼鏡のレンズの中に遠くも近くも見える度数が組み込まれている眼鏡を「遠近両用眼鏡」と言います。そのため、眼鏡をかけるだけで遠くも近くも見えるのでかけ外しをする必要がなくかけっぱなしにできます。
ただし見るには少しコツが必要です。よくあるタイプとしては、眼鏡の上の方に遠くが見える度数が、下の方に近くが見える度数が入っています。そのため近くを見る時は顔の位置をそのままに、目線を少し下にずらすことで近くが見えます。眼鏡1枚に遠くも近くも見える二つの度数が入っているので遠くや近くが見える部分の視野が狭く、クリアさが物足りなく感じる方もいるかもしれません。
**老眼鏡・遠近両用眼鏡の選び方についての記事も書いています**
遠近両用コンタクトレンズ
遠くが見える度数でコンタクトを使用している人が多いかと思いますが、わざと度数を少し落とすとその分近くを見る時のピント合わせの量が少なく済むので、度数調整をすると見え方が落ち着くかもしれません。
ですが、遠くも近くも見たい場合は遠近両用のコンタクトもあります。1枚のコンタクトレンズの遠くも近くも見える度数が入っています。眼鏡と違う点としては目線をわざわざずらさなくても遠くも近くも見えることができます。眼鏡ほど度数調整が細かく設定できるわけではありませんが、昔からのコンタクトユーザーであれば遠近両用コンタクトレンズに切り替えるのも良い方法です。
手術
手術によって老眼の見え方の質を良くさせる矯正方法もあります。遠近両用眼内コンタクトレンズ(IPCL)、遠近両用LASIK、EDOF(インレーカメラ)などの方法で遠くも近くも見える状態にするため、ピント合わせをせずに物を見ることができます。
**以下に老眼手術の一つ・IPCLに関しての記事を書いてます**
**老眼の手術を受けられる東京の病院紹介もしています**
よくある疑問点
老眼についてよくある疑問点についてまとめてみました。
100均の老眼鏡でも良いか
100均にも老眼鏡が売ってますし、取り急ぎで購入しても問題はありません。ただしどれが自分に合う正しい度数かどうかはわからないため、眼に合うものを使用するにはしっかりと病院で検査して調べなければなりません。100均の眼鏡は度数の種類も少なく、目に合うかどうかのアドバイスも受けられずに実際は使えなかったという結果になりかねませんので、あまりおすすめはできないでしょう。
いつから老眼対策をすべき?
「まだなんとか見えているから老眼対策なんて」と思う方もいるかと思いますが、近くを見る事に不便を感じた時点で対策を始めて良いです。早くから老眼対策をしたからと言って老眼がどんどん進むわけではありません。普段の見え方を快適にして過ごす方がストレスもなく生活できますのでぜひ対策に取りかかってみてください。
まとめ
近くが見えにくい・ぼやけると言った症状の原因として老眼について解説しました。ただし老眼だと思っていても何か別の病気が隠されている可能性もありますので一度病院に行くことはおすすめします。
そのときに、眼鏡やコンタクト、手術などの対処方法の紹介もあればぜひ取り掛かってみてください。快適に物が見えると気持ちも楽になりますよ!